直さんの お城の細道

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日本100名城【001】根室半島チャシ跡群

 ◆北海道の東端に点在するアイヌの城

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■ プロフィール

日本100名城№1の根室半島チャシ跡群は、北海道の東端、根室半島一帯に点在する32か所のチャシ跡の内、国指定史跡とされた24か所のチャシ跡です。「チャシ」とはアイヌ語で「柵囲い」を意味し、砦や見張り場、祭祀の場などの用途で使われていた所です。北海道で16~18世紀に作られ、約500か所程度確認されています。史跡指定されたチャシの内、現在見学先として整備されているのはノツカマフ1号・2号チャシ跡とヲンネモトチャシ跡の2か所です。
ここではレンタカーを借りて、一足先の納沙布岬歯舞群島を肉眼で見学するのもいいでしょう。

 

◎おすすめ度 ★★★★★ 5.0

【基本情報】

●別名…-
●所在地…北海道根室市温根元59,60,60地先ほか
●形式…山城(面崖式チャシ)
●築城年代…16~18世紀
●築城主…-
●現存遺構…周濠、土塁
●再建遺構…-
●史跡区分…国指定史跡
●関連施設…根室市歴史と自然の資料館
●スタンプ設置場所…根室市歴史と自然の資料館、観光インフォメーションセンター(JR根室駅前バスターミナル前)、北方領土資料館

●関連WEBサイト…

◆根室半島チャシ跡群 - 根室市観光協会

根室半島チャシ跡群/朝日にいちばん近い街

<お城の案内>

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 JR根室駅から道道35号線を北東に向かって約10キロ進むと、風力発電の先左手側に「ノツカマフ1・2号チャシ跡」の案内板があります。

 

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案内板から先、車が2~3台置ける駐車場が整備されています。右手のくさりの先がチャシ跡へと続く道です。

 

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駐車場にある「牧の内の文化遺産」の解説板。ノツカマフ1号・2号チャシ跡の簡潔な解説も記載されています。

 

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駐車場から海に向かって、細い道が続きます。

 

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 林を抜けると目の前に海岸台地が広がり、道はまだ海に向かって続きます。このまままっすぐ進むと…

 

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ノツカマフ2号チャシ跡にたどり着きます。2号チャシ跡は、幅3m、深さ0.5mで、標識の右手に半円形の浅い濠が確認できます。

 

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ノツカマフ2号チャシ跡。海からの風を遮るものがなく、風はかなり強いので注意が必要です。

 

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チャシの先端は崖になっていて、海につながっています。海岸に打ち付ける波の音が聞こえています。

 

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崖から振り返ってチャシを見上げる。

 

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 2号チャシ跡から駐車場方面を振り返る。

 

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2号チャシ跡から数メートル南に向かって歩くと、今度は1号チャシ跡に着きます。1号チャシ跡は、幅5m、深さ約3mの半円形の濠が70m×25mの範囲で2つ連結していて、濠の中の盛土が確認できます。

 

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ノツカマフ1号チャシ跡の北側から見たところ。2号より深い約3mの深さの濠が確認できます。

 

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ノツカマフ1号チャシの濠底から見たところ。

 

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1号チャシも先端はノツカマップ湾に突き出ています。

 

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1号チャシ跡に半円形の濠がめぐっています。

 

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チャシ跡の中央に立つ解説板。

 

ノツカマフ1号・2号チャシ跡を後にして、道道35号線をさらに東へ約10km行くとヲンネモトチャシ跡入り口の看板が見えるのでそこを左に入り、800mほど進むとヲンネモトチャシ跡の看板があり、左に折れると2台程度置ける駐車場に着きます。

 

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駐車場から案内板に沿ってヲンネモトチャシ跡を目指します。

 

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海に向かって歩いていくと正面に野鳥の観察舎が見えてきます。周りは草原で、強い風にざわざわと草のなびく音が聞こえます。

 

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ヲンネモトチャシ跡の解説板。奥に見えるのが野鳥の観察舎。ここから右手を向くと…

 

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チャシ跡に続く道があります。この道を進みます。

 

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チャシ跡に近づくと、盛土に上がる小さな階段が作られています。

 

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階段を上がって濠底を先端に向かって進みます。奥に見えるのがチャシ跡。その奥が温根元漁港です。

 

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ヲンネモトチャシ跡は、温根元湾の西岸に突き出した岬の上に盛土をして濠で区画し、盛土頂上に大小2つの平坦面を作り出しています。

 

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東西25m、南北25m程度の楕円形の平坦地。

 

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チャシ跡の先端の海にせり出した崖。この日の海は天気が良く穏やかでしたが、一度荒れるとどれだけすごいか、ここに立つと容易に想像できます。そしてこの海の先は、もうロシアです。

 

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温根元漁港から見たヲンネモトチャシ跡。「お供え餅」のようにも見え、形の良好なチャシ跡として知られています。

 

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ヲンネモトチャシ跡-風が強くてオールバックに!!

<感想>

 北海道の最東端、広大なオホーツク海に面する厳しい自然環境の中、アイヌが海岸線に沿って多数の砦を築いていたことに驚かされます。そして、海の向こうにはもうすぐそこにロシアがあり、ここに立つといやが上にも国防というものを意識させられます。
東京から約1,000㎞離れたところだけにそう易々とは訪問できませんが、風に吹かれながらゆっくりと根室半島をめぐると、日本の歴史や現状も少し理解できたような気になります。

 

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<登城日 2017年9月19日>

見学時間…ノツカマフ1号・2号チャシ跡 約40分間、ヲンネモトチャシ跡 約30分間

 

 

■近くのお城、史跡、グルメスポット

納沙布岬(ノサップみさき)

 f:id:oshirosommelire:20210217223355j:plain納沙布岬は、根室半島の先端に位置し、離島を除けば日本本土の最東端です。ここからは、歯舞群島の中でも本土に一番近い貝殻島灯台を肉眼で見ることができます。

 

根室車石

 f:id:oshirosommelire:20210217223503j:plain根室半島の花咲岬付近一帯に分布し、玄武岩質岩石中に珍しい放射状節理が発達した球状の岩体です。国の天然記念物

 

お城ソムリエのお城情報

 

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犬山城

初めまして、お城ソムリエの「Choku」と申します。
日本全国に遺された城跡を訪ね、お城にまつわる歴史に思いをはせながら、櫓や土塁などの遺構を確認して楽しんでおります。
また、お殿様に献上された銘菓や郷土料理など、お城近くの「こりゃ、うまい!」というものも味わっております。

今日から、私が登城した全国のお城とお城に関する「おいしい情報」を発信し、皆さんに楽しんでもらおうと思っています。

どうぞよろしくお願いします。

 

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